美ノ海は超スロー出世の力士で33歳の今場所、新三役昇進を決めそうです。朝乃山の記事を読んでいたら二人の天と地ほどの違いが分かりました。
朝乃山「最後の方で取れるのは…」13日目は再入幕後初結び前の2番に感慨…大けがで三段目転落から復活
2026年9月25日 6時0分スポーツ報知
https://hochi.news/articles/20260924-OHT1T51485.html?page=1
この記事で朝乃山が昔の美ノ海との思い出を語っています。美ノ海の今の姿とは違った側面が見えます。
そもそも美ノ海は沖縄の相撲一族の生まれで幼いころから相撲に馴染み、中学・高校時代はエリートだったそうです。確かに名門鳥取城北高校3年次、国体で団体優勝、個人戦も優勝の輝かしい実績を残しています。この時代は、朝乃山は平凡な選手に過ぎず大した実績はありません。美ノ海の方が圧倒的に格上だったと言えます。
大学に入るとやや変わって来て両者の実力は逆転しました。日大4年次、美ノ海は全日本相撲選手権大会はベスト16。朝乃山は近大4年次、全日本相撲選手権大会ベスト4。高校時代までとは実力が逆転しました。と言って朝乃山が大学時代特に目立つ選手でもなく積極的なスカウトは無かったようです。
近大2年次に朝乃山の同級生が先代高砂親方(元大関朝潮)にスカウトされたのだそうです。その時、朝乃山は横に立って話を聞くだけでした。ふと、朝乃山の体格(188cm)に気が付いた先代高砂親方が「ついでに」朝乃山も勧誘したらしいです。朝乃山は親方衆が積極的にスカウトしたい選手では、ありませんでした。
美ノ海は大学卒業後進路に迷っていたそうです。それを聞いた大学が同じ日大出身の木瀬親方がスカウトして木瀬部屋に入門しました。美ノ海に至っては、全然スカウトの対象ではありませんでした。それくらい大学生としては平凡な実績しかありません。
朝乃山は入門後、順調に出世の階段を昇り大関まで昇進しました。その後、不運な不祥事に巻き込まれ1年の謹慎処分を受けます。三段目から復帰した前頭筆頭まで復帰したところで、無理をし過ぎて今度は左膝の靱帯断裂の大怪我をして、又長期休場から
三段目から復帰して、その後前頭6枚目まで番付を戻したのが今場所です。
美ノ海の出世が超スローだったので両者の大相撲での対戦は、2024年名古屋場所の3日目が初めてでした。
その翌日の取り組みで朝乃山は左膝の靱帯断裂の大怪我をしました。それ以来2回目の対戦で朝乃山が勝って「うれしかった。負けたくない気持ちがあった」とコメントしています。
前頭上位の星の具合にもよりますが朝乃山が二桁勝つと令和6年(2024年)5月場所以来の小結復帰も見えてきます。
一方、美ノ海も9番勝つと新小結が有力です。2枚目の義ノ富士が6勝6敗なので勝ち越す可能性が残っています。念のため9番勝勝てば、おそらく新小結に昇進でしょう。こうなると超ノロ亀出世の美ノ海と急行出世の朝乃山の同時、小結昇進もあるかもしれません。
中学・高校時代は相撲エリートだった美ノ海が大学では振るわず、プロ入り後出世に長い期間を要した理由は体格だろうと思います。
現在は176cm157kgと体重がありますが、プロ入りした当初は身長176cmを考えるとかなり軽量だっただろうと思います。体格が小さいので出世が遅かったのでしょうね。
プロ入り後の成績を見ると十両に2回昇進して2回とも1場所で幕下に陥落しています。最初が平成30年(2018年)7月場所、2回目が令和元年年(2019年)5月場所、3回目が令和2年(2020年)1月場所でやっと十両に定着します。この時、美ノ海は27歳です。
そしてこの期間に美ノ海は何故十両に定着できないかを考えて、徹底的な体力増強トレーニングをしたのだろうと思います。下半身を強化して全身の筋肉の量を増やして体重を増加すると言う事です。体重が増えたので十両昇進3回目で十両に定着出来たのだろうと思います。
それにしても大卒入門時は23歳だろうと思いますから、よく27歳まで努力して稽古を続けたな・と感心します。十両に定着した後も体重増加の努力は継続していたのだろうと思います。約4年後、新入幕しています。大体、この頃に今の体重に近くなったのでしょうね。この時が30歳です。
そして、それから2年と2場所後の今年の3月場所で自己最高位を西前頭2枚目に更新しました。この時が32歳です。誕生日が過ぎて33歳になった今場所、西前頭3枚目で12日目まで終わって8勝4敗。残り3番で1勝すれば、新小結に昇進だろうと思います。
どちらも色々苦労して努力してきた点では同じです。大の里や安青錦のような規格外の天才は居ますが挫折しながら努力して頑張っている美ノ海や朝乃山の事も取り上げて欲しいと思います。
美ノ海は元々相撲に技術が高いですが強くなる過程で研究して自分の技を極めて来ました。その技は「左前みつ」です。自分の左側から攻撃を組み立てます。左手の使い方の上手さは「幕内で一番ではないか」と言われています。
一方、朝乃山は二度のどん底を経験して謙虚さと感謝の心を学びました。表情を見ると穏やかな表情をしています。弟弟子の朝白龍も穏やかな性格なので二人が並んでいると兄弟のように見えます。
朝乃山は左膝の靱帯断裂の大怪我を経験して「基本稽古」の大切さを再認識したようです。
手術から復帰を目指していた初めの頃は、四股さえ踏めませんでした。今は怪我の再発予防と下半身強化を目的に四股やすり足に随分、時間をかけています。高砂部屋の稽古動画には、朝乃山が四股を踏んだり、摺り足を繰り返す様子が良く写っています。これは若い衆の手本にもなりますし、朝乃山の力士寿命を延ばすのにも大きく役立つと思います。
30歳を過ぎた力士が衰えを示す場合、大抵下半身が弱くなったためです。
琴櫻を見てみれば、それが良く分かります。
部屋付きの親方が言うには、以前より尻が小さくなっていると言っています。それは筋肉が落ちたと言う事です。熱海富士との対戦で仕切り線に立った熱海富士と琴櫻の太ももを見比べて驚きました。熱海富士の太ももは稽古で鍛えられて太くてパンパンに張っています。琴櫻の太ももは熱海富士と見比べると、如何にも細くて華奢に見えます。その割には上半身には、ぜい肉がだぶついています。
つまり、体重は同じかもしれないが下半身の筋肉が衰えて贅肉が増えて前と同じ体重なのだろうと思います。
いわゆる「単なる空気デブ」です。去年から琴櫻の成績が振るわないのは、このような単純な理由によります。琴櫻が、もう一度強さを取り戻したいなら基本稽古の分量を増やして下半身を強化するべきでしょうね。単に申し合いの番数を増やしても強さは戻りません。土台の部分が弱くなっていれば、上を少々補強しようとどうにもなりません。
美ノ海と朝乃山は、この理屈を理解して基本稽古を徹底的にやっています。下半身が衰えないから二人ともそれなりに強いと言う事です。
42歳の玉鷲も同じで稽古は若い衆と同じ稽古をしているそうです。玉鷲のインタビュー動画で玉鷲の稽古は基本稽古と腕立て伏せが中心だそうです。要は体力を落とさない稽古を重視していると言う事らしいです。玉鷲のような大ベテランになれば相撲の技は身に着いています。だから体力を落とさない稽古が大切だと言う事らしいです。
美ノ海が33歳、朝乃山は32歳でどちらもここからの伸び代は、ほとんどありません。これまで稽古で貯金して来た実力を如何にして維持していくかが問題です。出来なくて番付を下げている30歳を過ぎたベテラン力士は、結構います。
元大関が4人いますが、朝乃山と高安は今も前頭の上の方の番付を守っています。朝乃山は上の方に番付を戻しました。
誰とは言わない他の2人の番付を見たらいいです。番付の違いが、稽古の量の違いです。
美ノ海
平成5年(1993年)5月生まれ33歳、176cm157kg
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%8E%E3%83%8E%E6%B5%B7%E7%BE%A9%E4%B9%85
鳥取城北高校3年次、国体で団体優勝、個人戦も決勝で逸ノ城と鳥取城北対決を制して優勝
日大、全国学生選手権は個人3位、全日本相撲選手権大会は16強止まり(当時の既定では付け出し資格なし)
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令和8年(2026年)9月場所、東前頭6枚目
令和8年(2026年)3月場所、自己最高位更新、西前頭2枚目
令和5年(2023年)11月場所、新入幕、以後幕内に定着
令和2年(2020年)1月場所、3回目の十両昇進、以後十両に定着
令和元年年(2019年)5月場所、2回目の十両昇進も1場所で陥落
平成30年(2018年)7月場所、新十両昇進(幕下所要11場所、合計14場所)1場所で幕下陥落
平成28年(2016年)11月場所、幕下昇進
平成28年(2016年)5月場所、序の口デビュー
朝乃山
平成5年3月生まれ32歳、188cm170kg
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E4%B9%83%E5%B1%B1%E5%BA%83%E6%9A%89
近大4年次、国体成年の部4位、全日本相撲選手権大会ベスト4(新規に出来た規則で三段目付け出し資格取得)
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令和8年(2026年)9月場所、東前頭6枚目
令和7年(2025年)3月場所、三段目で復帰
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令和6年(2024年)7月場所、膝靱帯断裂の大怪我で以後、長期休場
令和6年(2024年)5月場所、東小結に復帰も全休
令和4年(2022年)7月場所、三段目で復帰
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令和2年(2020年)7月場所、大関昇進
平成31年(2019年)11月場所、新三役
平成29年(2017年)9月場所、新入幕
平成29年(2017年)3月場所、新十両
平成28年(2016年)3月場所、三段目付出デビュー